これでいいのでしょうか
- Yoshiharu Azuma
- 2021年7月26日
- 読了時間: 2分
コロナが吹き荒れ、飲食業界は大きく落ち込んでいます。しかし、コロナ後を見据えた再編や新たな業態開発の動きが進んでいるのも事実です。
その動きの主要テーマは、「キャッシュレス決済」,「セルフオーダー」,「モバイルオーダー」,「タッチパネルなどのセルフオーダー」,「宅配専門業」,「ロボット化」などの「非接触スタイル」と言えます。一言でいうと「ITを駆使した主に接客部分の省力化」です。

「非接触」と「非接客」が同義語に捉えられているのが、飲食業の存在意義を無くすようで悲しい限りです。
飲食業は、お客様から材料原価の2~3倍の粗利益を戴いています。それは、調理や接客の人件費がかかる分、作り立ての料理や優しさ・笑顔のあるサービスが享受できるという、お客様の信頼感の表われです。
料理を始めに価値をなんら高めない非接客化は、お客様の信頼を損ない、企業の存続を危うくするでしょう。
実はこのような動きはコロナに関わらず30年以上前から顕在化していたことです。「オーダーエントリーシステム」や「テーブルコール」,「ドリンクバー」などがその代表です。労働生産性の向上が表面上の目的でしたが、接客レベルの低下に繋がり、1店当たりの売上は伸びませんでした。
労働生産性の向上は、企業の存続と高い給与の支払いにとって重要ですが、品質を犠牲にすることは“存在”そのものの否定につながりかねません。
1店当たり売上高(客数)を増やす努力が必要なのです。そのために、お客様との接触機会が少なくなろうとも、接客レベルを始めいかに店の価値を上げるか、その方向を明確にすべきなのです。